追記:まぁ皆さんびっくりされたであろう、N95の上のサージカルマスクの重ね付け技。私も最初ウェビナーで聴いた時には、?でした。なぜそんな突拍子もない事を!と私も思いました。N95マスクの在庫危機管理として、本来患者さん毎に使い捨てのN95を、汚れない限り1日使ってよい事になっていて。その汚れ、というのが飛沫なども含むので、上からサージカルマスクを着けてそちらを交換する、という苦肉の策です。もちろん今までこんな事態に陥った事もないので、研究もされておりません。なので、今色々なインフェクション コントロールのウェビナーで、色々な人が同じ質問をしている事体。まぁ、それぐらいこちらの歯科界は緊迫しているという事です。
手短に追記、と思いましたが書きたい事が長くなってしまい、歯科でのPPE問題はこちらで。
アメリカのデータ。
新型コロナ感染率が一番高い職業、それは歯科衛生士。となっております。peer reviewありの論文とは違うので色々な意見があると思いますが。とはいえ、患者さんへの感染リスクが高いという意味ではないです。エアロゾルと飛沫を浴びる、私達へのリスクの事。感染リスクは新型コロナウィルスに限った事ではないのですが、covid-19は感染力が強い。ちなみに3月16日から、未だこちらでは歯科は診療停止中です。本当に緊急を要する場合、エアロゾルが出ない応急処置のみ対応。とはいえ、実際の所処置してくれる歯科を探すのが大変です。かかりつけの歯科がある場合は留守電にメッセージを残し、先生からの連絡を待つか、連絡先を教えてくれる感じ。歯科医師会、歯科衛生士会は、保険省からのお達しがあり診療を段階的に再開出来るようになった際の、PPE(personal protective equipment)や1日に診察できる患者さんの数、どういった患者さんの診療から再開していくかなど、ガイドラインを懸命に作成中です。そもそも必要なPPEの確保に時間がかかる。先生は、5月半ばになっても揃えられそうにないと言っていました。
歯科衛生士のPPEの事も↑のブログに書いたのだけど、着脱に時間がかかります。一人の予約時間が長引き、1日に診れる患者数も調整が必要です。N95かKN95マスク(我がクリニックは5月にフィッティングある予定)、保護メガネかゴーグル、フェイスシールド、キャップ、ガウンの装備。キャップは女性なら、前髪も全部長い髪で一つに結べる人が一番楽かも。私はミディアムボブ。襟足は短すぎて一つには結べず、前髪もあります。キャップの着脱問題、これは盲点でした。マスクとゴーグルの跡と、キャップの中でオールバックに押さえつけられていた髪と、家に帰る時にはどんな姿になってしまうのだろうか。というか、本当に仕事、復帰できるのだろうか。休みすぎてイメージが湧かないです。
さて、ここで2月の自分を褒めてもよいでしょうか?オーダー履歴を確認すると2月9日。なんと、忘れていましたが3Mのゴーグルをアマゾンで頼んでいたのでした。今は売り切れで買う事ができません。普段はsafety glasses、保護メガネ?を使っています。今のように店が営業停止になったり歯科が診療停止になるなんて事は思ってもみなくて、仕事で使うかもなんて思いもしませんでした。世の中が怪しくなってきたのを感じ、本当になんとなくオーダーしておいたのです。
ふんわりと、もし夫が感染したら(家族全滅もありえますけど)家で使うかもとか(そんなバカな・・・)やりすぎでしょ!と思われそうで、実は今日まで夫にも言っていなかったという。この時一緒に頼んでおいたものは、防塵マスク3Mのrespirator。2011年に見たコンテイジョンを思い出し、これを付けて外を歩く世界が頭に横切って。実際、これをつけて宅配していたドライバーを見てびっくりしました。世界の終わり感が・・・レズピレーターは寄付しようか迷ったのですが、いや、本当に使う時が来るかもしれないと思いとどまっています。いや、これは皆さん引きましたよね。私もです。
PPEに関しては、cross contaminationが刷り込まれている、特に歯学部生、歯科衛生士の学生の方が体に染み込んで徹底しています。体が勝手に覚えるというやつです。学校のクリニック実習を思い出してします。
PPEを付ける順番
- ガウン
- N95マスク/サージカルマスク
- (キャップ)
- ゴーグル/フェイスシールド
- グローブ
PPEを取る順番
- グローブ
- ゴーグル/フェイスシールド
- (キャップ)
- ガウン
- N95マスク/サージカルマスク
https://www.cdc.gov/hai/pdfs/ppe/ppe-sequence.pdf
ちなみに、今は世界的にN95マスクの在庫危機管理が行われていて、本来は使い捨てのN95マスクを出来るだけ1日着用する方向です。この上にサージカルマスクをして、こちらを患者さん毎に交換になりそうです。
北米では逆に珍しいけど、口腔外バキュームとか、歯科用のHEPAフィルターの空気洗浄機とか、これからスタンダードになっていくのかもしれません。歯科衛生士はライフステージに合わせてフレキシブルに働けたのが一番の魅力だったけど、今回の事で考えてしまいます・・・私は去年の夏にやっと学生ローンを払い終えたばかりなのと、息子との時間がなくなるので、もう大学やカレッジに戻ってのキャリアチェンジは考えていません。(と、思いたい・・・)歯科衛生士のクラスメートだったお友達、この子が凄いんです。3人の子持ちで、一番下の子はもうすぐ6歳。同じ時期にマタニティーリーブを取っていて。学生時代も2人目出産直後で搾乳機も持参で学校に来ていて。旦那さんがプログラマーで、なんと先学期からプログラマーになるために、大学生1年生になったのです。私の夫もプログラマーなのだけど、オタワで同じ大学に入学しました。夫の学生時代も知っているし、代わりに数学の授業に出てノートを取りに行った事もあって(笑)私には、無理。これからあと3年間、すごく大変だと思うけど、素晴らしい方向転換と決断力。強いなぁ。そんなクラスメート達と、卒後10年のズーム同窓会を近々開催予定。楽しみです。