歯科関係の方は、こちらを先に読んでもらえたら幸いです。
私は2つのクリニックで働いているのだけど、(正確にはコロナ失業中)オフィス1でN95マスク(正確にはrespiratorですが、ここではN95マスクと書く事にします)を含むrespiratorのトレーニング&フィットテストがありました。結果から言います。私の顔はダメでした(涙)ちなみに歯科診療はまだ停止中で、再開になった時のための準備です。日本の歯科もこうしろ~!などと言う気は全くありません、念のため。こちらでの異次元の取り組みを淡々と紹介していこうと思います。
N95マスクなのですが、世界的に足りていません。NIOSHという機関がN95を認定するわけですが、誰も買えないので一時的に中国規格のKN95も認定されています。でも、そちらも全然足りない。今からではもう遅くて、まったく手に入りません。数か月で生産が追いつくかもしれないし、追いつかないかもしれない・・・そしてあった!と慌てて正規ルート(Health Canadaが認定許可した販売会社)で購入した所で、フィットしなかったら何の意味もないという(汗)しかも、KN95の方までよくできた偽物が歯科界でも出回っています。
本物は左側。右側が偽物。FDAのスタンプまで押してある!こういうの、本当にやめてほしいです。ただでさえ、こんなに多様性が重視されているバンクーバーでもアジア人が歩いているだけで顔を殴られたり、という事件も起きていて。日本人も中国人も韓国人も、彼らから見たら皆同じなので。日本にいる場合はほぼ全員アジア人だから、そういう意味で安心?それとも、中国人とわかってターゲットにするのか・・・というか日本では医療従事者が差別されるとか、違った危険もあるという(汗)
話がそれてしまったけど、PPE不足の対策についてのCDCによる動画。先生がスタッフに、これ見ておいて!と昨日送ってくれたもの。私はこれから見ます。
そして、N95マスクが手に入らないので、医療従事者にElastromeric Respiratorの使用が許可されたという。私が寄付するべきか、と少し前のブログで言っていたこちらでございます。
↓Elastromeric Respiratorの用途変更について
まずクリニックに着いて、手洗い、検温。家で耳で測るタイプの体温計では37.4 ℃。クリニックのこめかみで測る非接触体温計では37℃でした。体温計のタイプによって随分違います。日本の家庭でよくあるわきの下で測るタイプは低く出ます。今日集まったのは、歯科医、衛生士、アシスタントの7人。CPR講師のような感じで、二人の講師が来てくれトレーニングとフィットテストがありました。Elastromeric respiratorと、N95 KN95の計3種類のフィットテストをしました。7人中、私とアシスタント1人だけ(私達、アジア人)Elastromericタイプしかフィットしませんでした。ちなみに、Elastomericタイプがフィットしなかった人は一人もいませんでした。
袋をかぶって診療するわけではありません。テスト中
ソーシャルディスタンス
もはや加工する意味があるのかわからないけど
このレスピレーターをしたら、普段使っている保護メガネを付けるのすら難しい。私が用意したゴーグルはゴムバンドで、レスピレーターと一緒に使用するのは装着が困難です。
しかも、私のタイプのフィルターは濡れたらアウトなので、このフィルターに一つずつ(一つずつですよ!)Level3マスクで保護してくださいって、このテスト機関のお兄さん。え?今なんて?!!!耳を疑いましたが、キャニスタータイプのフィルターを使えば、マスクでカバーしなくてよいそう。今から買えるのかな?
どちらにしても、こんな格好で診療したくはないです。でも先生は本当に賢くて、N95マスクを診療停止になる前に揃えていて(といっても、1クリニックが買えるのは少量)その後、少量KN95マスクを入手。そしてこれから入手がほぼ不可能になると感じた時点で、クリニカルスタッフ全員分のElastromeric respiratorを揃えてくれていたのです。たとえフィットテストでN95マスクが使えるとわかっても、確実になくなってしまうので。でも、Elastromeric respiratorはMサイズしか選択肢がなかったそう。私が自分で買っておいたのはSサイズ。そして今ではお宝の3M。日本ではサージカルマスクも基準がないそうですが、こちらではASTM フィルターレベルがLevel1から3まであります。ちなみに私の働くクリニックは、いつでもLevel3を使っています。しかし、そのlevel3のマスクも品薄になっており、難しい選択を迫られそうです。奇跡的に他の顔に合うタイプのN95マスクが手に入るかもしれないけど、どちらにしても、衛生士はしばらく仕事に戻らないので、状況がかわる事を願って。
こちらがアメリカのADA(American Dental Association)が発表した、COVID-19診療再開ガイドライン。BC州はガイドラインを製作中です。
https://www.adha.org/resources-docs/ADHA_TaskForceReport.pdf
もうたぶん、こちらの取り組みは異次元すぎて、日本の歯科界の人達がには理解不能かもしれません・・・今日はビックリマークがたくさんのブログになってしまいました。
フィットテスト後は、どのタイプがフィットしたかの記録の認可証カードをもらいます。
追記:さっきニュースをチェックしていたら、こんな記事が。私は歯科でもこのタイプのレズピレーターが広まっているとは知らなかったので衝撃だったのですが、一足先に歯科診療が再開された(って結局まだ緊急だけに近い診療の仕方だけど)州ではもうこうなっているようです。患者さんの皆さん、診療が始まって私達がもしこんな姿でも驚かないでください。いや、驚きますよね。COVID-19感染の第2波が来なかったとしても、すぐに秋、冬はやってきて、また流行するかもしれない(まだしてるけど・・・)そうなったら慢性のマスク不足に陥り、本当にこの姿での診療がスタンダードになるかもしれません。