歯科衛生士関係で、この1年でたくさんのHPVワクチンやコロナワクチンのセミナーを取りました。私はHPVワクチンは11月に処方箋をもらっていたのですが、コロナワクチンの接種完了を待ちました。コロナワクチンはファイザー、6月に2回目を終えHPVワクチン1回目は7月の初めに接種しました。
HPV感染は、子宮頸がんの90%以上の原因となっています。また、アメリカでは中咽頭がんの70%がHPV感染が原因と言われています。
私は40代前半で、今更？と思われるかもしれませんが、HPVワクチンを接種しました。BC州では男女とも小学6年生で9価ワクチンを接種します。打ちそびれた場合、19歳の誕生日までに1回目を始め、 26歳の誕生日までに終えれば公費で受けられます。この期間を過ぎてしまった場合は自費になりますが、接種が推奨されているのは女性は45歳まで、男性は26歳まで、27歳以上でも男性と性関係にある男性は接種対象です。自費の場合BC州では1回＄180の3回接種、＋ドラッグストアでの接種の場合接種料金に1回$10ほどかかります。このワクチンは薬の部で、職場で加入している保険のDrug Coverageでカバーされる事が多いです。私の保険は接種費の$10と自己負担$47で、1回にかかった金額は$57でした。ドラッグストアで打ってもらいたい場合は、ファミリードクターやウォークインクリニックで処方箋をもらい、お店に連絡します。
日本の場合は公費でカバーされるのは女子のみ、2価と4価のみだそうです。
HPVとワクチンに関して参考になるサイトをいくつかシェアしたいと思います。
- ブリティッシュコロンビア州のワクチンコミュニケーションガイドライン BCCDC Immunization Communication Tool 2021
上記のガイドライン"It provides a better immune response when given to preteens compared to older teens. It is best given before sexual activity (before exposure to HPV)."にもある通り、 ワクチンはHPVウイルスの感染を防ぐ目的なので、一番効果的なのは性交前、そしてpreteensの時期がワクチンによる免疫ができやすいそうです。
私はgynecological oncologistと直接会いワクチン接種の質問をする機会に恵まれ、Absolutely!との回答を頂いた事もあり、接種を決めました。同じ性的パートナーでも、パートナー同士お互い感染させあう事を防ぐ（HPVに感染しても自然に体から排除されていく事が多いのですが、その場合感染を繰り返す事もあります。ワクチンで再感染を防ぐ意味もありますが、本来は初感染の前に接種するワクチンです)、離婚や死別でパートナーが変わる可能性もある、それからHPV感染の2回目のピークは1回目ほどではないにしても、45歳以上の女性である、という理由です。
While peak risk for HPV infection is within 5 to 10 years of the first sexual experience, a second peak in HPV prevalence is observed in women 45 years and older. Although the second peak is not as high as the peak rates in younger women, it represents an increased risk. While the reason for this second peak is not yet fully understood, receipt of HPV vaccine by previously unimmunized adult women could reduce the risk of HPV infection occurring later in life.
日本では副反応疑いをメディアで大きく取り上げたため、未だにHPVワクチン接種率が0.6％という事態です。
↑の記事を抜粋します。
- 接種後に体調不良を起こしたという声が相次ぎ、メディアもセンセーショナルな報道を続けたことで、2013年6月に厚労省はHPVワクチンの積極的勧奨を差し控えた。
- 積極的勧奨が止まってしまっているために、将来的に子宮頸がんを発症する人は2万4600人から2万7300人増え、そのために亡くなる人は5000人から5700人増えることが予想されている。
↓にリンクを貼りましたが、オーストラリアでは15歳までに、女子の80%、男子の76%(2017年）、アメリカでは13歳～17歳の女子73%、男子70%近くがHPVワクチンを接種しています(2019年）。オーストラリアでは、子宮頸がんを発症する人は2028年に10万人に4人以下、2045年には10万人に2人以下、2066年には10万人に1人以下になる見込みだそうです。ちなみに日本での男子接種率はわかりませんが、女子の接種率は0.6%です。私の個人的な感想ですが、日本の男性で接種しているのは、接種時期を逃してしまったけど、医学部で勉強していたり、医者になりワクチンの知識がある20代、30代の医師、医学部学生が多いのでは？と憶測しています。また、もっと若い世代の男子の接種は、HPVワクチンの知識がある医療関係者の子供だったり、自費な事もあり一般男子には届いていないのでは？と感じます。
アメリカではHPVウイルスによる女性の子宮頸がんより、男性の中咽頭がんの方が多くなっています。
こちらはコロナワクチンのウェビナーを取った時に、Vaccine hesitencyの参考資料としてあがった資料です。
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A story from Japan: Suspended recommendations for HPV vaccine to cause
thousands of cancer deaths
In 2013, a cluster of adverse events suspected to be linked to the HPV vaccine were reported in the Japanese media. This prompted the Japanese government to suspend its proactive recommendations for the HPV vaccine. This was despite having no evidence to support a link between the cluster of adverse events and the vaccine—and an overwhelming amount of data supporting the safety of the vaccine. A study published in The Lancet Public Health has concluded that in Japan, “The so-called vaccine crisis, which led to a rapid drop in HPV vaccination from over 70% uptake in 2013 to current rates of less than 1%, is estimated to be responsible for 5000–5700 cervical cancer deaths among girls born between 1994 and 2007 who missed vaccination. In addition, 24,600–27,300
preventable cervical cancer cases are estimated to occur in the same age group due to missed vaccination. Looking ahead, the study forecasts that for each year that the crisis continues, an additional 700–800 cervical cancer deaths could occur.”
SNSなどで情報が溢れる中、特に日本のワクチン報道の仕方は中立の立場ではなく、センセーショナルに不安を煽る記事が多いように感じます。コロナワクチンの事で色々見えてきましたが、自称医療ジャーナリストや議員の立場でありながら、データや論文の見方が中途半端だったり、またはまったく見ずに間違った情報を拡散したり、個人の感想やエッセイの記事がニュースになるのは本当に残念です。
