新型コロナウィルスに対する世界的なアプローチは、Contain it, Delay it。パンデミックで多くの人が新型コロナウィルスに感染する事は避けられないが、重症患者の同時多発で医療崩壊に陥らないよう、ウィルスが広がる時間稼ぎをし感染を遅らせる事がゴールです。まさに今のイタリアで病院のベッドが足りなくなる、マスクや人工呼吸器が足りなくなる、医療関係者に感染が広がる、という状況を目の当たりにしてこうならないようにと必死です。contain it, delay itのアプローチを取ると、多くの人が数か月自宅待機になる可能性をも想定しての対策です。オンタリオ州では、学校の春休み以降、今学期は再開できない事も念頭に置いての対策が取られています。また、必要になるであろうベッドをあけるため、BC州では命に関わりのない手術は延期にするなど、そういった面での対策も取られています。いまいち危機感を感じていなさそうな日本は、もしかすると病床に余裕があったり、マスクや人工呼吸器なども密かにあてがあるのかもしれません。マスクは足りないとニュースで騒がれているけど、今から医療関係者に届くとか?
感染力は強いのに無症状や症状が軽い人も多く、重症化しやすいシニアや疾患のある人達に知らない間に広めてしまう。今更私がここで説明するまでもなく、巡り巡って医療従事者や老人ホームでクラスター発生を防ぐためにも、イベント自粛や渡航帰省の措置が必要なのです。カナダやアメリカも、感染が増えるスピードが上がってきた時に、死者がまだ数名の時点から色々な対策を取っています。それでめ効果が薄いのでどんどんと次のステージへと、規制が厳しくなってきている段階です。最初は今の日本と同じように、屋内で換気が悪く、たくさんの人が集まるイベントや集会の自粛。介護施設への不要不急の訪問自粛、それから具体的な人数の指定が加わり、例えば100人以上の集まりは禁止がだんだんと少ない人数になり、自粛要請から禁止に変化。今は人と2メートルの社会的距離(social distance)を取る、という所まで来ました。そのためモールやレストラン、カフェにとどまらず、歯科、ヘアサロンなども閉鎖しています。生活必需品を手に入れるため、スーパーや薬局などは開いていて、social distanceを取るために工夫しながら営業してくれていて。本当に感謝しています。BC州では子供同士を遊ばせるのも禁止、市の166カ所ある遊具のあるエリアは閉鎖、今日から、広い公園やビーチに人が集まらないよう、スタンレーパークやイングリッシュベイ、キツラノビーチ、クイーンエリザベスパーク、ヴァンデューセンガーデンの駐車場閉鎖とのお知らせがありました。
日本では必要以上にメディアが不安を煽り、自粛要請での経済的な被害を考えてほしいという考えもあると知り、驚きました。経済的な大打撃はこちらではもう起きていますが、それを政府のせいで、とか要らん事をしてくれた、とかそういう風潮はないです。私も含め、コロナで職を失った人は先週だけで50万人以上です。50万人というのは、失業保険が提出された数なので、失業保険に加入していなかった自営業の人達や失業保険を受給する規定時間働いていなかった人達は含まれていません。2019年の同じ週の失業保険提出は2万7千人だったそう。
私がコロナの影響で職を失った経緯↓
Contain it, Delay it. Flatten the curveについての解説。
Coronavirus: contain and delay phase explained -BBC News
未知のウィルスだけに、近い将来こうなるんじゃないか?とか、こうした方がいいんじゃないか?とか、こんな対策は無意味だ、報道を鵜呑みにするのは危険だ、とかたくさんの意見があると思います。私がネットのニュースで必ず目を通すのはカナダのCBC とGlobal news アメリカのCNNです。ローカルな情報はVancouver Coastal Health などで。
アメリカ、カナダは日本と違って、ケーブルのプログラムに加入しないとテレビが見られないので、テレビ事体はあっても(我が家も例外なく、ネットフリックスなどを見るためのもの)テレビがつけっぱなしという家庭は少ないのでは、と思います。また日本の様なワイドショー的な位置づけの番組もないので(あってもちょっと違うかな、と思います)メディアに踊らされる事も少ないのかも?とも思います。とはいえこのSNS時代、間違った情報の拡散など違った影響もあるので一概には言えないけれど。コロナでこんな風になるまで、ネットのニュースの興味のある見出しだけをクリックしてチェックする、という使い方をしていましたが、時間もたくさんあるのでついついニュースをチェックしてしまいます・・・