こちらも読んでいただけたら幸いです。
診療再開準備中、5月8日の情報です。
3月15日現在、コロナウィルス、WHOもCDCも感染経路は飛沫感染と接触感染としています。peer review済みでない論文も含め、この新型コロナウィルスが、エアロゾルで空気中に3時間浮遊する疑いがあるそうです。
私達の住むブリティッシュコロンビア州では、歯科衛生士会からこのお知らせが来て、この数日で歯科界は混乱しています。なぜなら、歯科の治療で使うドリルや、クリーニングで使う超音波スケーラーやポリッシングでエアロゾルが発生するからです。求められる対応として、歯科衛生士の我々は、超音波スケーラーとポリッシングの禁止、という連絡が先ほどありました。歯科医師のエアロゾルが発生する治療(虫歯治療時に使のドリルなど)に関しては、普段から行っているPPE(Personal Protective Equipmentー品薄になっているけど、マスクは普段通り患者さん毎に替えるなど)の他、ガウン、フェイスシールドの着用、saliva ejectorでなく High volume suction、そして診察前に患者さんにクロロヘキシジンなどのantimicrobial mouth washでの洗口が必要になりました。これは私が学生時代の時から賛否両論です。まるで衛生士の学生時代。学生時代はエアロゾル対策として、洗口剤使用の後、超音波スケーラーを使う時は1人でsaliva ejectorと high volume suctionを使わないといけないという決まりがあり、クリニックで大変だった思い出が蘇ってきます。
ブリティッシュコロンビア州では、この14日間カナダ国外に出た人、咳、くしゃみ、熱がある人、新型コロナウィルスに感染した人と濃厚接触がある患者さんは再予約するという決まりができました。そして我がクリニックで取れる対策は、先生の治療のエアロゾルから出来るだけ遠くに離れるため、私は一番離れている部屋を使う事にします。
普段の患者さんのキャンセルは、穴の開いた時間もお給料が発生しますが、これからキャンセルが増えていくに従い、歯科経営上無理になって来ると思います。歯科衛生士会は、失業保険についてすでに国と連絡を取っているそうで、勤務時間の減少に伴う給与減額を賄う助けはあるのかなど、話し合いが明日あるそうです。と、話がそんな所まで拡大しております。そしてあれよあれよという間に、翌日の3月16日に歯科は期間未定で診療停止になりました。
息子の学校がコロナ休校になったら仕事をどうするか?という心配どころではなくなってきました・・・今できる事は落ち着いて準備し、コントロールできない事を心配してもどうにもならない。まずは今、家族が健康である事に感謝し、1日ずつ落ち着いて乗り切っていきたいです。
追記: 現在4月11日ですが、診療再開の目途は立っておりません(汗)
4月25日↓のブログを更新しました。緊急事態宣言が緩んでPPEが揃わない限り診療再開は出来ません。日本の歯科は診療停止にもなっていないけど、私達が診療再開になった時に求められる、こういう対策も視野に入れてほしい反面、日本のCOVID-19の陽性者数、死者数、致死率が低いので必要ない、という意見もあるかと思います。未知のウィルスでわかっていない事がたくさんあるので、実はここまでする必要はありませんでした!と将来なる事を願って・・・
エアロゾルによる感染について、Canadian Dental Hygienists Associationが参照にした情報はこちらです。これから色々な研究結果が出てくる事と思います。
- Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1 N. van Doremalen and Others, March 17, 2020 cited [March 18, 2020]
- Molinari JA, Nelson P. Face Mask Performance: Are You Protected? March 16, 2016 cited [2020 February 28] Available from:
- Peng X, Xu, X. Transmission routes of 2019-nCoV and controls in dental practice. March 3, 2020 [cited 2020 March 16] Available from